今夜は上弦の月です。夜空に美しい半月が浮かびます。

満ち欠けする月にはその時々の見え方、形によってさまざまな名前が付けられています。

三日月　上弦の月　十六夜　下弦の月等

「上弦」。とても日本的で美しい名前ですね。上弦とは月が沈むときに弓を張ったような形に見えることから名付けられました。

丸みの部分が「弓」で直線の部分が「弦」です。弓張り月とも呼ばれます。

半月を見て　弓を張ったようだと考えた人の豊かな想像力に関心いたします。

着物には四季折々の美しいものが織り込まれていますが、「月」は少ないのです。

満ち欠けする変化を畏れたのでしょうか。

吉祥柄と呼ばれる柄は永続的なものが多いです。

私は海の近くに住んでいます。このコロナの世の中でも連日の猛暑日でも　海からは涼しい風が吹き松の木は優しい木陰を与えてくれます。

寄せては返す波。繰り返し繰り返し打ち寄せる波。

「波」は吉祥柄の代表選手です。「青海波」と呼ばれ　広い海がもたらす恩恵と無限に広がる波の模様に未来永劫へと続く幸せへの願いと平安な暮らしへの願いが込められています。

青海波の上に輝く上弦の月。満月までにエネルギーを蓄える静かな瞑想のひとときをお過ごしください。